月と緑

手の届く距離のなかで

20250704

あの一冊はどこに行ってしまったのかと、リビングにある大きな本棚に並んだ背表紙を、つーっと指でなぞっていく。細い指。意外と小さな手。本を無くすことなんて無い。探したら見つかった。また、つづきから読み始めた。

 

「燃えにくい」という単語のついた商品名、(珍しい) MUJI LABOで購入したトートバッグは、大きくて、コーヒーで染めたような茶色が、私はとても好き。好きで、いつもずっと使っていたら角が破れて穴があいた。小さな穴は、この先大きくなっていってしまうかな。そこから物が落ちるのかな。(穴をふさぐために縫うのも一つの手だけど、針が通りそうに無い頑丈な生地。) 「内側にテープを貼ったらどう」と助言を貰った。どんなテープを貼ればいいのかすぐに想像できなくて、そのまま。ガムテープよりは、布テープが良さそうだけど、剥がれた後にくしゃくしゃになってしまうのでは。

 

あの時、初めて戦争について思いを巡らせたこと。それに早いも遅いも無いこと。母から打ち明けられた時間。胸に沈む重たいもの。次にお付き合いする人とは、同じ景色を見ていたいとずっと願っていたこと。遠距離では、それは難しかったのです。

 

私はその都度、書き留めてきたけれど、書き当てられていたのかと。そんな風に、趣味のひとつに問い詰めてみる。個人のページに、私なりに生きてきた時間を残す。書くことは私にとっての生きることなのか。ゆっくりと、暗い海底から手を伸ばして、もう一人の私を救い上げるように。書く度に、ひとつ省みて、ほぐすような。

 

句読点のリズムと、美しい修飾語のあいだで、それは一見狭いようで、実は奥の方へと広がる世界で、そこで、大きな、葉のたくさん茂った木のそばに座り、心地よさで、かろうじて息をしているのかもしれない。肩が上下するほどに深く息を吸い込んで、酸素を巡らせる。

 

ピーマンの焼き浸しが美味しくて、そればかり食べている。ねじったような麺の蕎麦を茹でて、のせた。胃が冷えていたようで、温かいモリンガ茶を飲んだ。回復して、この日記を書けています。